甘くて栄養がいっぱい、スポーツをする人にも、ダイエットしたい人にも強い味方となってくれるバナナ。
子供も大好きですよね。
うちの子の小学校には果樹が多く、バナナもあります。
それが2018年(平成30年)の9月30日夜から10月1日未明にかけて台風24号に襲われて折れました。
仕方なく切り倒されたのですが、その切り口を見て、バナナは木ではなく草だということを実感しました。
また、そのあとに見せたバナナの生命力にも驚かされました。
その時の画像をお見せしながら、バナナの本当の姿をご紹介します。
バナナは草!?バナナは野菜?果物?
バナナは高さ数~10メートルほどにもなるので、「バナナの木」と表現されることが多いですが、ガガイモ科の草木です。
園芸学上では「野菜」とは、「副食物として利用する草本類の総称」とされているので、バナナは野菜に分類されます。
他にも、イチゴ、スイカ、メロンなども園芸学上は野菜です。
しかし、農林水産省の「果樹」の定義では、「概ね2年以上栽培する草本植物及び木本植物であって、果実を食用とするもの」とされています。
この定義からいけば、バナナは果実ということになります。
栽培期間が1年のイチゴ、スイカ、メロンなどはやはり野菜となってしまいます。
なんだか釈然としませんが、これらの分類は確固たるものではありません。
野菜と果物の定義は国によっても異なりますし、日本国内でも、生産・消費・流通の各分野や都道府県によって分類が異なることもあるそうで、厳密に線を引くことは難しいとされています。
野菜と果物の区別にはっきりとした定義はなく、園芸学上は野菜に分類されても、果物として利用されることが多いものについては「果実的野菜」として扱われています。
バナナは木ではなくて草!
バナナは草で、私たちが「茎」と言っているものは本当の茎ではなく、「偽茎(仮茎)」と呼ばれるものです。
本当の茎は地下にあって短く横に這っています。
この本当の茎からまた偽茎が出て、子供のバナナが育つのです。
偽茎は葉っぱが幾重にも重なってできていて、Wikipediaには「玉ねぎの球根を縦に引き伸ばしたようなもの」と表現されています。
普通の木の幹のように固くはなく、やわらかくて包丁でも切れるほどです。
こんなに弱々しい偽茎で、熱帯雨林地方の強い雨風を受けて大丈夫な秘密は、葉っぱにあるそうです。
葉っぱがミシン目のような構造になっていて、簡単に裂けてびりびりになることで、柳の枝のように風を受け流すのだといいます。
温室などで育っているバナナは風がないので、葉っぱがきれいなままですが、外で育つバナナは葉っぱがのれんのようにびりびりになっています。
これはバナナが生きるための知恵だったのです。
バナナは草!その偽茎の切り口はまるで…長ネギ!?
このように強風に打ち勝つための工夫があるバナナですが、うちの子の小学校のバナナは、2018年(平成30年)9月30日に上陸した台風24号には勝てませんでした。
10月1日の朝には無残に折れており、切り倒されました。
その時の切り口の写真をお見せしましょう。
葉っぱが重なっている様子がよくわかります。
直径が10~15cmあるのですが、断面はまるで長ネギ(白ネギ)です。
ちなみにネギはヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属に分類されるそうです。
続けて、切り倒されて3時間ほど経過した姿をご覧ください。
長ネギの切り口そっくりに中心が伸びてきています。
切り倒されても必死に生きようとしているのです。
驚きの生命力!切り倒されたバナナのその後
無残に切り倒されてしまったのですから、もうバナナは枯れてしまうのかしら?
という私の心配は杞憂に終わりました。
切り倒されて11日後の写真がこちらです。
縦にくるくると巻いた状態の葉っぱが出てきたのです。
そして続いて8か月後、上から撮影した写真もご覧ください。
葉が生い茂り、まだまだ中心からくるくると巻いた葉が伸びているのがわかります。
「教室が暗いからまた切って欲しい」と苦情が出るほどになりました。
もう花も咲きましたよ。
バナナの生命力には本当に驚かされます。
バナナの実が持つエネルギーは、バナナの生命力からきているのだなと感じました。
まとめ
バナナは高く育って実をつけるので、木であるように思っていますが、実は草でした。
普段私たちが使っている「野菜」「果物」という分類も、非常に微妙なものであることがわかりました。
バナナの幹のように見えるものは、葉っぱが重なってできている偽茎で、本当の茎は地下にあったのです。
偽茎の断面はまるで長ネギのようでした。
一見丈夫そうに見える茎はやわらかいのですが、非常に強い生命力を秘めています。バナナを食べる時に、この力をいただいているのだと、思い出していただければうれしく思います。