子供の咳、心配ですよね。咳は、風邪などのウイルスに感染した時や、温度差やほこり、花粉などが刺激になった時に、身体の防衛反応として出ます。でも、子供でも大人でも、ストレスが原因となって咳が長引く場合があります。また、子供の場合はチック症のひとつとして咳が表れることもあります。
今回はストレスによる咳、チック症の咳についてまとめました。
子供のストレスによる咳、どんな時に出るの?見分け方は?
ストレスによる咳は「心因性咳嗽(しんいんせいがいそう)」と呼ばれ、子供にも大人にも表れます。
ストレスを感じることによって自律神経の働きが乱れ、この影響で延髄にある咳中枢が刺激されるからとか、ストレス発散のためであるとか考えられていますが、詳しくはわかっていません。
咳は、例えば緊張した時に咳払いをすることがあるように、人為的にも出せるものですし、咳の出る原因もいろいろあるので、診断が非常に難しい病気だそうです。
心因性咳嗽の特徴は次のようなものです。
- 咳が長く続いている。
- 咳は日中に多く、就寝中には出ない。
無意識にストレスを感じる時に咳が出るので、寝ている時には咳は出にくくなります。
- リラックス時や集中している時は咳が少ない。
ゆったり過ごしている時や、何かに集中している時は咳が出にくいです。集中が途切れたり、意識したりした途端に咳が出ることもあります。
- 咳以外の症状がない。
発熱、鼻水、喉の痛み、痰などの症状はなく、「コンコン」「ケホケホ」というような乾いた軽い咳です。
- 咳止め薬を飲んでも症状が変わらない。
ストレスが原因なので、薬は効きません。
- 呼吸器の検査をしても異常がない。
このような場合には心因性咳嗽を疑って、医療機関を受診しましょう。内科や耳鼻科ではなく心療内科や精神科になります。お子さんの場合は小児科で症状を詳しく伝えて相談するとよいでしょう。
子供のチック症と咳
チック症は、自分の意思とは関係なく、咳払い、首ふり、瞬き、発声症状などの症状が表れてしまうものです。
基本的には一過性のものであり、本人は意識していないため、親が気にして叱ったり注意したりし過ぎると、精神的ストレスから慢性化してしまう可能性もあるといいます。
温かい目で見守って(善意の無視)いれば、成長に従って自然に症状はおさまっていきます。
うちの子は、咳ではないのですが、年少さんくらいから「んー」と声が出てしまったり、眉間にしわをよせたりするチック症がありました。特に指摘せずに放っておきましたら、声は小学校入学頃、眉は9歳くらいまでにおさまりました。
ストレスによる咳の対処方法
- 原因がはっきりするだけで安心して治ることもある。
身体に悪い症状が表れているだけで心配になってしまうこともありますね。ですから、咳がストレスによるものであると診断されたことで、「重い病気ではなかった」「原因がわかってすっきりした」という安心感から、症状がやわらぐ方もいるそうです。
どんな時に症状が出やすいかよく観察することで、ストレスの原因をはっきりさせ、解決の糸口がみつかることもあります。ですが、あまり原因探しに躍起になり過ぎると、それがまたストレスになる可能性があるため、原因にこだわり過ぎないことも大切です。
・ストレスとうまく付き合う方法を身につける。
親は子供を何とか楽にしてあげたいと思ってしまいます。もちろん、簡単に取り除けるストレスならば取り除けばよいのですが、人間は多かれ少なかれストレスを受けながら生きています。
ですから、子供がストレスと上手に付き合っていける考え方や、ストレスを解消させる手段を身につけられるように、働きかけをしてあげたいですね。
そのためには、あなたご自身が、「○○すべき」「もっと○○しなくちゃ」という考えを少しゆるめて、「がんばった」「できた」と認めるなど、ストレスがたまらない考え方を心がけて、お子さんの前で示しましょう。
また、ストレス発散になりそうな機会を設定して、お子さんと一緒にやってみましょう。「あなたと話していたら落ち着いたわ」「温かい飲み物を飲むとほっとするわね」「運動して汗をかいたらすっきりしたね」「動物や花を見ていると優しい気持ちになるわね」のように、ストレス解消できたことを言葉に出して一緒に喜びましょう。
そうした中でお子さんも、ストレスをためない考え方や、自分に合ったストレス解消の方法を学んでゆきます。
まとめ
ストレスは目に見えませんし、自分で気づいていないこともありますが、身体に影響を与え、咳以外にもいろいろな症状を与えます。感染症などの原因が見当たらないのに咳が続く場合は医療機関に相談しましょう。
また、普段から子供の心に寄り添って話を聞いたり、スキンシップをしたりして、優しく見守りながらお子さんに安心感を与えてあげたいですね。