子供たちは自然の外遊びによって、身体が鍛えられることはもちろん、感性、探究心、チャレンジ精神、創造力、発想力、思考力、コミュニケーション能力などを伸ばしていくことができます。
わざわざ自然の中に出かけていくのであれば、服装や持ち物を整えて、安全に楽しく過ごしたいですね。今回は、自然の外遊びに適した服装や、持って行くと安心なもの、持って行くと学びが広がるもの、などについてまとめました。
自然の外遊びの時の夏の服装、持ち物
自然の外遊びの時の基本の服装は、長袖、長ズボン、帽子、運動靴です。虫や、かぶれる草から身を守ってくれるので、夏でも長袖、長ズボンにします。帽子は陽射しから守ってくれるだけでなく、転んだ時などに頭を守ってくれます。雨上がりには下草が濡れているので長靴もよいですね。
靴下が短いと足首が出てしまうので、長めの靴下をはきます。また、毛虫などが頭上から落ちてくる場合もあるので、首筋を守るために首にタオルをかけて、端は服の中に入れるようにしましょう。
必ず持って行きたいものは次の通りです。
・雨具:変わりやすい天候に備えるとともに防寒にも使えます。
・水筒:自動販売機や水道がない場所もあるので十分に用意します。
・救急用品:虫よけ、虫刺されの薬、絆創膏、とげぬきなど
・水:水道がない場所では傷を洗う時にも使えますし、水筒の予備にもなります。
・ビニール袋:ゴミを入れて持ち帰ります。収集物も入れられます。
・タオル、ティッシュ、軍手
・着替え:汗をかいたり汚れたり濡らしたりしたら着替えましょう。
・リュックサック:両手があくので安心です。
子供が自然の外遊びに持って行くと学びが広がるもの
自然の中では基本的に、あるもので工夫して遊ぶのがいいのですが、次のようなものがあると学びが広がります。
- ビニール袋
木の実やきれいな葉っぱ、気に入った石などを入れて持ち帰ります。家で工作をして楽しむのもいいですね。葉っぱや花と、水を入れて揉むと色水遊びができます。川で水をくんだり、ちょっと虫を入れておいたり、いろいろに使えます。
- 虫眼鏡、小型マイクロスコープ
植物、昆虫、石や土などを観察します。小型マイクロスコープには、キーホルダー型で携帯に便利なものや、観察したものをスマホで撮影できるものもあります。小さいお子さんには、ピント合わせがなく、自分でどんどん好きなものをのぞけるものがいいですね。
手が切れる葉っぱの縁にはノコギリのようなギザギザがあることや、細かい毛が生えている茎や葉っぱがあること、花の中なども観察してみましょう。昆虫の顔や羽、足の先の爪などをよく見てみましょう。土の中にも小さな生き物がたくさん暮らしています。石は小さないろいろな粒の集まりだということにも気づきます。
- 双眼鏡
遠くを眺めたり、鳥を観察したりします。
注意していただきたいのは倍率です。私も最初失敗したのですが、倍率は高い方がいいと思って自分が使っているものを子供に貸したところ、子供は「見たいものがうまく視野に入れられない」「どこを見ているのかわからない」と、イライラしました。そばで助けてあげたくても、子供が見ているものは私には見えないので、助けようがありません。
小さいお子さんには4倍くらいのものから始めると使いやすく、自分で好きなものを見られます。
- 磁石
土や砂の中には磁石につく粒がありますし、石の中にも磁石につくものがあるので探してみると面白いですよ。磁石は、100円ショップで、小さくていいですから強力なものを選びます。重いと、磁石の重みで落ちてしまうのか、磁石につかないのかがわかりにくいので、小さくて軽いものがいいです。また、落とした時に見つけやすいように鮮やかなプラスチックの持つところがついているものがおすすめです。
- 網、たも、昆虫や魚を入れるもの
昆虫や魚などを捕まえます。観察したら放してあげましょう。
- 紙、色鉛筆など
観察したことをメモしたり、花や葉っぱをこすりつけて色を塗ったり、葉っぱや木の幹にあてて色鉛筆でこすって模様をうつしとったりしてみましょう。
- カメラ
昆虫や植物の名前を家で調べたい時には、写真を撮っておくといいですね。植物の場合は花や実だけでなく、葉の形や葉のつき方がわかるように撮影しておくと、調べる時に役に立ちます。
お子さんにカメラを持たせると、いろいろなきのこを見つけて撮影したり、虫が花にとまっているところを撮影しようと一生懸命になったり、お母さんに自分が見たものを伝えようと頑張ります。
最近のデジカメには、説明を平仮名表示にすることができて、動画、水中撮影ができ、落下の衝撃に強いものもあります。子供でもどんどん使えますよ。
- ポケット図鑑
お子さんが植物や昆虫に興味がおありなら、ポケット図鑑を持たせてみましょう。見つけた植物に印をつけていくのもいいですね。
自然の外遊びをする時の注意!自然の大切さと厳しさ!
・自然をこわさない。
生き物をとりすぎたり、むやみに草花をとったりしないようにしましょう。穴を掘ったり石を動かしたりしたら、元に戻しましょう。
・ごみを捨てない。
・危ないことをしない。
崖や滝に近づいたり、一人で遠くに行ったりしてはいけません。
・自然の力をあまくみない。
川の流れ、波の力、ゲリラ豪雨、雷、がけ崩れなど、自然には人間が抵抗できないほど大きな力があることを忘れないようにしましょう。川は、今いるところは雨が降っていなくても、上流で雨が降っていると急に水かさが上がることがあります。
まとめ
自然の中でお子さんは、自分の力でいろいろな発見をするでしょう。お母さんは一緒に喜んだり驚いたり不思議に思ったりほめたりしながら、大きな怪我をしないように見守ってあげましょう。
初めて行った場所だと、お子さんが怖がる場合もあります。うちの子は初めて海に連れて行った時に大声で泣いて「帰りたい」と言いました。私はその時、子供を抱っこしてやさしく声をかけながら波打ち際まで行って、抱っこしたまま波と追いかけっこをしました。子供が笑って自分で歩きだすまでそんなに時間はかかりませんでした。
お子さんがどうしたらよいかわからない時は、お母さんが興味をひかれたものをじっと見て、思ったことを話してみたり、お母さんが楽しいと思うことで遊んでみましょう。大好きなお母さんが夢中になってやっていることに、お子さんは興味を示します。
一人ではちょっと不安という方は、自然観察会や環境教育、自然体験を行ってくれる施設もあるので、参加してみるのもいいですね。